河村 文鳳 かわむら ぶんぽう
   


17.8p×22p
安永8年(1779)生〜文政4年(1821)歿  
 文鳳は岸駒(1756-1838)に師事した岸派の絵師。岸駒の弟子は非常に多いが、子の岱(1782-1865)・婿の良(1797-1852)・養子の連山(1804-1859)以外では、文鳳の他に横山華山(1784-1837)・『画乗要略』の著者として知られる白井華陽らが注目される。
 彼は京都で活躍し、岸駒のほか諸家に出入りして自己の作風を形成したと評される。筆力雄偉、人物画・山水画に長じた。絵入版本を多く出版するなど、当時においてはかなり有力な画人であったと思われるが、遺作は極めて少ない。
 彼の作品は静岡県立美術館のほか、文化年間に京都周辺の景観を描いた『帝都雅景一覧』の図、『文鳳山水画譜』(頼山陽 讃・文政7年(1824) 1月刊行) 、『文鳳麁画』(寛政12年 (1800)刊行)などに見られる。
 『帝都雅景一覧』は前編(東山之部、西山之部)と後編(南山之部、北山之部)の2編、4巻からなる。そこには、かつての京都周辺の名所を中心にした風景が描かれており、一連の名所図会の一つとしてとらえることができるものである。その刊行年は、前編が文化6年(1809)、後編が文化13年(1816)であり、図は文化年間における京都周辺の景観を描いたものと考えられる。全部で84ケ所の風景が描かれており、そのうち30以上の図には、背景として京都周辺の山地が大なり小なり描かれている。
 この作品は与謝蕪村・長町竹石・皆川淇園・古賀精里らとともに同じ屏風に貼られていたもので、作品の少ない文鳳にとって貴重な一枚といえる。

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